ピカルディー終始とマリオ進行 【前編】



ピカルディー終始

「ピカルディ終止」とは、短調の曲に対して同種長調のトニックで終わる終止形である。

----------------使用例1----------------    

はじめに以下のバッハのトッカータの0:30を聴いてほしい。


この曲では、キーがDmであるが、以下の譜例のように同種長調のトニックコード「D」で終わっている。


コード:C#dim/D - Dsus4 - Dsus2 - D


この時代のバロック音楽は、教会で演奏されていたため、暗い曲でも最後は希望を持って終わるように工夫されている。理論的には、同種長調のメジャートニックを借りてくるモーダルインターチェンジである。以下のFFVのゲームオーバーのBGMでも同じ方法でピカルディー終始が使われているので参考にしてほしい。



----------------使用例2----------------  


次に以下のマリオのステージクリアのBGMを聴いてほしい。



これは以下のようにナチュラルマイナーキーのダイアトニックコードから♭Ⅵと♭Ⅶのコードを借りてきてメジャートニックで終わるピカルディー終始になる。この手法は、達成感を強く出すため、トニックに戻るときドミナントコードの代理として♭Ⅵと♭Ⅶのコードを経由させている。




※ナチュラルマイナーキーのダイアトニックコード


ポップミュージックの世界では、ビートルズが、この進行を多様している。

P.S. I Love You (タイトルコール部分)

Polythene Pam (サビの最後)

Lady Madonna (イントロ、サビの最後)

With A Little Help From My Friends  (イントロ、サビの最後)

さらにJ-POPでは、ビートルズに影響を受けた奥田民生がプロデュースしていたパフィやR&Bの久保田利伸も使っている。

アジアの純真  (サビ前)

LA・LA・LA LOVE SONG  (タイトルコール部分)

後編に続く.....







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